2014/7/19 土曜日

ベートーヴェンの4楽章制のピアノソナタ

Filed under: メモ帳 — かきざわ ひろお @ 0:53:13

全て4楽章制で書かれている最初の3曲セットは例外的として、4楽章制をとるピアノソナタはそれほど多くない。

その中でもそれぞれの区切り目として(そこまでの、あるいは、その時期の集大成的な)性格のものが多そう。

3曲セットを3楽章制x2、4楽章でまとめた例(作品10、作品31)、初期の集大成的な作品22。過渡期のまとめ的な作品28。

あるいは、(ベトベン史上最長の)作品109。・・・もっとも後期作品になると楽章制すら怪しくなってくるけれど。

4楽章制というのは、どちらかというと交響曲的な、あるいは、実に古典的な枠組み、という意識が作曲者にあったのかどうかはわからない。しかしそういう意図があってもおかしくないような感じ。

3楽章制の場合は、協奏曲的な枠組みのものと、実験的・冒険的なものがあるよう。ソナタアルバムに入っていて、演奏会ではあまりとりあげられなさそうな、作品14の2部作も、非常に面白い3楽章制。緩やかな楽章がない作品14の1。スケルツォがフィナーレになっている作品14の2も、大変に意欲的な試みではないだろうか。

そいえば彼の3大ソナタとして取り上げられるもの、月光、悲愴、熱情・・・あたりは、みな3楽章制だね。4楽章だと長すぎってことかしら?月光は例外的だけれど、急・緩・急(月光は序・急・破ってかんじか)ってのはわかりやすいのかなあ・・・

ベートーヴェンと前後の世代の作曲家のつながり具合

Filed under: メモ帳 — かきざわ ひろお @ 0:36:05

中期〜後期作品を聴くと、ベートーヴェンが音楽史上どういう立ち位置にいるのか、わかりにくいように思う。孤高の存在というか、いまひとつ、前の世代からの影響や次の代へのつながりがピンと来ない。あまりにも個性的なのだ。

前期作品を聴くと、なるほど、こりゃ古典派の直系であるなあと理解しやすい。(ベートーヴェンの初期とその後のギャップはあるんだけれど)。

そして、また、シューベルトとのつながりも、実は前期作品あたりを橋渡しにして考えると非常にすんなりと理解できそうだ。

ベートーヴェンがロマン派の始まりというのも、前期作品あたりから十分に感じられる。前世代、同時代と並べてみると、初期作品でのベートーヴェンの冒険は、既に前期ロマン派の趣があるようだ。

などと、ふと思った。

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