ドビュッシーの前奏曲集第1巻始めました!
ドビュッシーの「デルフィの舞姫」を公開しました。一時的に「帆」「雪の上の足跡」「ミンストレル」は公開を取りやめました。これら3曲も再公開いたしますので暫しの間お待ちを・・・
ドビュッシーの「デルフィの舞姫」を公開しました。一時的に「帆」「雪の上の足跡」「ミンストレル」は公開を取りやめました。これら3曲も再公開いたしますので暫しの間お待ちを・・・
パソコン上のピアノをシミュレーションするソフト。かなりの数が出回っていて、その極一部しか触っていないけれど、その中で特徴が際だっている3本についてのメモ。
総合力では私は現時点ではIvory。ピアノの特性を余すことなく探究するならPianoteq。「リアル」な音ならEast West Quantum Leap Pianos。しかしながらなかなかこれらの全てを兼備した「究極の」一品は存在しない、といったところです。
Ivoryはかなりリアルな音色(発売当初は当時最高峰、今では音色のリアルさはより上をいくものあり)と、ある程度ピアノの物理的特性をシミュレートしているため、音色と機能のバランスが良い。音の輪郭は柔らかめ。シューマンやバルトークの一部で出てくる、無音で押さえた鍵盤の共鳴を利用した作品には対応できていないことを除けば、打鍵後のペダルの踏み込みにも勿論対応、ペダルの踏み直しによるハーフペダリングに対応。但しペダルの踏み込みの深さに応じたハーフペダリングには対応していないが、多くの作品では実用的なモデリングかと。デメリットは、シミュレートで追加している残響音が特定の状況で不自然に共鳴してしまうこと。あとCPUとディスクへの負荷は高い。また、調律は平均率とストレッチチューニングに対応。音質はサンプルにより大分印象がことなるが、派手さはないが使い勝手は良い。YAMAHAのサンプルのフォルテ域は、ちょっと荒い感じがするのが残念。それとベーゼンドルファーのウナコルダの効きが甘め。
Pianoteqはフィジカルモデリング音源。単品での音色はリアルではない。音の立ち上がりの印象が弱い。しかしこのソフトの真骨頂は、これでもかというまでのピアノの楽器としての特性の徹底したシミュレート。各種ハーフペダル奏法に対応。無音で押さえた弦の共鳴も(少々癖があるが)対応。音楽的な表現力では自由度と可能性が最も高い。それとおまけでダウンロードできる歴史的楽器のモデルはなかなか良い。調律もかなり自由自在で、平均率の他に著名な古典調律がプリセットされているのが嬉しい。さらにオクターブのストレッチも可能。これを組み合わせると、ヴェルクマイスターチューニングのストレッチ、みたいな、なさそうなありそうな調律もできる。決して薄い音ではないのだが、派手さ、豪快さ、重厚さには欠けるが、透明感はなかなか。どこにもない不思議なソノリテのピアノという感じ。
East West Quantum Leap Pianosは単品の音色のリアルさは圧巻。しかし楽器として使いこむには本物のピアノとは大違い。ペダリング回りは通常のサンプラーによる再生と変わりなく、リペダリング、ハーフペダルにも現時点では対応できていない。繊細なペダル表現ができないとため音楽的表現上、劣る。ある程度は打ち込みデータの加工で対応できると可能性は感じるが、生ピアノ的なMIDIデータではうまくいかない。音色が非常にリアルなだけに勿体ない。マイクロチューニングにはPLAYエンジンでは現状では非対応の模様。サンプルにしたMIDIデータのせいかもしれないけれど、弱音と強音の間で、音色のギャップが目立つ場合がある。荒々しさという意味では必ずしも否定するものではないのだが、表現の幅を狭めかねない。豪放な演奏のシミュレートには最適。繊細な演奏のシミュレートは(現時点でのペダリングの貧弱さと音色のギャップのため)苦手とみた。
・・・なかなか決定版というのがないものです。
来週より別の作曲家の作品に移ろうと考えていましたが、スクリャービンの初期、中期ときたらこれはやはりなんとしても後期の作品もとりあげねばなるまい・・といっても長々と続けるのはキビシイかと思いますので、小品を2週続けてお送りしたあと、最初思っていた別の作曲家の作品集にうつることにいたします。
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