2014/7/28 月曜日

ショパンの幻想即興曲のペダリング

Filed under: メモ帳 — かきざわ ひろお @ 22:17:47

原典番系統の楽譜を改めて確認してみたのだけれど、ペダリングの指示が恐ろしく少ない。途中の長調に変わったところの導入部分と最初のフレーズのところだけ。ペダル記号満載の楽譜を昔見ていた目には新鮮に映るが、非常に理解できる指示でもある。

では、他の部分はペダル禁止かといえば、それは、誤った原典主義だと思う。しかし、少なくとも現代のコンサートグランドピアノを前提とした場合、恐らく、全編をフルペダル全開で押し通すことは、おそらく有り得ないだろう。様々なペダリングのテクニックを駆使しないと、完全に、響きの中に曲が埋もれてしまうことは必定だ。頻繁な踏み替え、思い切って使わない、ハーフペダル、あたりを適宜組み合わせて使うべきだろう。

当時の楽器だったら、もしかしたら、フルペダルをある程度踏み替え有りでやることで、十分に切れ味の良い演奏になる可能性は高いものの、現代ピアノでは、それでは響きが厚すぎる。

残響の作る響き

Filed under: メモ帳 — かきざわ ひろお @ 22:10:52

糸を引くような美しい残響も確かに素晴らしいのだが、響きの性格を基本的に決めるのは、ごく初期の残響〜アーリーリフレクションあたりまでのように思う。直接音だけでも、インパルスレスポンス味にするだけで、無響室とは異なるキャラクタが立つことがわかる。

解像度を落とさないためには、長い残響は好ましくないという考え方もありそうだけれど、その場合は、リバーブ部分を浅くすることで、空間の色を保ちつつ、シャープな音像とすることもできそうだ。

ただ、ある程度解像度が落ちても、長めの残響部分も、音楽的表現には必要に思う。どの程度までそれを強調するのか、抑制するのかは、趣味の問題というか、自分の耳と相談しながら決める他なさそうだ。

Official BLOG of Percorso musicale