鈴の眼

いやはや…出産って。
想像や予測をはるかに超えるものがありますな。

前兆のカケラもなかったから手術になった日の朝。
なんと、おしるしが…きたのであります！！

…とはいえ　そんなすぐに陣痛なんてねぇ…
くるわけないじゃん　(-。- )
きっと　昨日落ち込んでたから　せめても…って　
体験させてくれたんだな・・・・。

そう思いながら　旦那と一緒に病院へ向かったのが朝10時。
内診前の尿検査でも血が止まらなくて　なんだか…
生理痛のように　お腹が痛い気がする。
そんな状態で　手術前の内診を受けたらば。
２ｃｍだった子宮口がいきなり６ｃｍ近くまで開いていた。
どどど・・・どうしたんだ！？

再び院長先生も登場、ひとまず３時くらいまで普通分娩で
いけるかどうか様子を見て　進行しないようならば切りましょう、
という事に　変更となりました。

…ぽんぽこちゃん。
キミはギリギリのところで慌てて頑張るタイプかね？
普通分娩の時、赤ちゃんも出てくる時　痛いらしいよ？
それでも　下から頑張るって気になったのなら…
おかあちゃんは　一緒に頑張ってみるぞ。
おとうちゃんもいるぞ。
それに　今日は　満月らしいぞ。
月の引力にも助けを借りて　３人で頑張ろうか。

結構　広い陣痛＆分娩室へ旦那と２人通されて待機。
陣痛って　どんな痛みかよくわからないので　呑気に
旦那と話していたり１２時くらいにお昼御飯をいただいたり。

あ、その間、痛みはあるのですよ、もちろん。
でも　もともと生理痛が重い方なので　お腹痛いな～の波が
たまにイタタタタ…ときては　引いてくくらい。
そのうち点滴や赤ちゃんの心拍をみる機械を
お腹にとりつけられて分娩台に固定されてしまい、
身動きがとりずらくなり…
そうなると真正面から　痛みと向き合わねばならなくなってきた。

お腹が痛くてあんなに『人としての尊厳がぁ～っ』と思っていた
浣腸も毛を剃られるのも　どうでもいい感覚に落ちてたな…。

ガマンできなくはない。
でも　痛い。
でも　まだ…ガマンでき…る…痛い…。
ガマン…しなきゃ…で…も…痛い…。
そんな繰り返しだったかなぁ…。

お腹の痛みよりも　時たまくる内診の先生の指の方が
泣くほど痛かったのは覚えている。
痛みがある時に　チェックしないと駄目なんだと後で知ったけど
あの時は　真面目に　痛くて殺される～って思ったよ…。

たまに助産師さんが　赤ちゃんの波と子宮口の広さを見にくるだけで
広い部屋に　旦那と２人だけで　陣痛と戦うことに。
だんだん、旦那の『水いる？』とかいう問いにも　
痛さをこらえるのに精一杯で　声が出せなくなってくる。
息の吐き方とか　思い出してみるのだけど　うまくいかなくて。
旦那の腕やらなんやらを　ガシガシつかんでいた気もするので
さぞかし痛かったんじゃないだろうか…？
でも　今回ばかりは　私の方が絶対痛い。

途中で左肩に、しばらくしてから右肩に　促進剤を打たれ
何度目の内診かわからないけど先生が破水をさせた。
そのあたりからの陣痛は…もう…悶絶（ＴＯＴ）
『次があるなら　帝王切開でいいぃぃぃぃ～っ！！』
そう思ってたな…。

あの痛みは　どう表現すればいいのだろう。
ひどい生理痛に加えて　オシリの方から　何か…
ハンドボールくらいの丸いものが
『出して～』
…と、ギューギュー押してくる感じ？

『オシリにチカラをいれればいいんだよ』
…と　丸いものは　ギューギュー押しながら誘惑してくるけど
でも　誘惑に負けて　チカラをいれてはいけないのだ。
ちゃんと子宮口が開いていないと　危険なのだ。
分娩室で　テニスボールをオシリに当てるという話は
聞いていたけれど　そうか、出ようとする感覚を抑える意味で
テニスボールは　有効だったのかもしれない・・・・・・・・。

お腹の痛みと　下へ引っ張られる丸いモノを押さえることで
だんだん息の仕方もわからなくなって　意識がモウロウとしてくる。
陣痛の傷みには　波があるので　傷みが一瞬引く間に
夢をみているというか　何か別の景色を見ていたような気もする。

旦那が言うには　院長先生が来て　ＧＯサインが出て
リキんでＯＫ、ということになったらしい。
だ～け～ど～。
今度は　どうリキんでいいか　わからなくなってたよ…
ついでに　どう息をしていいかもわからなくて
酸素マスクみたいのをつけられたような。
そのうえ　どうしても足を閉じようとしてしまう。
なので　誰か～…と応援を　呼ばれて足を押さえられ…
とにかく助産師さんに　息をちゃんとして～
リキめ～　目をつぶるな～　自分のへそを見て～
ちゃんと産まれないよ～っ　と怒られるのだけど

痛い～　リキむなんて　無理～っっ！！！
と　思いつつも　リキんでみたような。

パチンッって音に　あ～会陰切開されたな～切られたぁ～
…とは思ったけど　それどころじゃなかったし。

頭が出たよ～
はい、もう一息・・・・・・・・・・・・・

あ～・・・・・・・・出てきたな・・・・
遠くで　赤ちゃんが泣き出すのが聞こえてきた。
『産まれたよ！』
そう言う　旦那が　涙声だったような気がする。
産まれたての赤ちゃんを　お腹にのせてくれて
だんだん意識が戻ってきた。
（その際に　胎盤が出る感触がっ）

うわ～…ぷくぷくのおにぎりみたいな顔～(￣∇￣;)
あははははは・・・・・・
よく頑張ったねぇ・・・・

午後4時48分。
10時に病院に着てから　6時間ちょい。
実質、本格的に痛かったのは４時間くらいなのかなぁ。
30時間とか　かかる人は　かかるらしいので　まだ
早い方だとか。
こんな戦いが　30時間だなんて　絶対に無理だ…。

その後の後処理では　麻酔ナシで会陰切開の痕を
縫うので　これがまた　か～な～り～痛かった（ＴＯＴ）
その最中に　赤ちゃんをきれいにして再び抱かせてくれた。
ちょっとまだ赤い、灰色がかったような肌色だったけど
おにぎりみたいに　ぷくぷくだったけど　
胸の上で　もじょもじょ動いている姿に
『か・・・可愛い…♪　』　と　愛おしさがこみ上げてきた。

しか～し！　
縫われているのが　とにかく痛くて長く抱けず、
赤ちゃんはナースセンターへ。

その後は　分娩室でそのまましばらく休んで
夕飯も　旦那が食べさせてくれるのだけど…
あまり食べられず。
あ、おにぎりは　美味しかったな。

縫い痕が　痛い…。
けど、その日の夜から自分でトイレにも行かなきゃだから
トイレの行き方などを教わったりしてから部屋へ車椅子で
連れて行ってもらって　ゆっくり休んでください。
明日から　授乳の練習ですよ、という事になる。

全室個室なので…ゆっくり休みたい…けど～っ。
とにかく縫い痕が痛いわ、足のむくみがひどいわで
ベットから起き上がれず　トイレに行くのに
１時間くらいかかるし　結局　痛くてほとんど寝れなかった…。

あ～でも　良かったな・・・無事に産まれてきてくれて。
皆から　たくさん応援していただいた。
お守りもたくさんいただいていた。
（ちゃんと病院に持っていったよ♪）
お母さんも　こんな思いをして　産んでくれたんだなぁ…
いろんなものに　感謝したいと思った。
ずっと　がんばれ～がんばれ～と　一緒にいてくれた旦那にも。

新しい生活。
はてさて　どうなるのか　楽しみだっ（＾・＾）