2015/11/3 火曜日

スクリャービンのソナタ

Filed under: メモ帳 — かきざわ ひろお @ 23:50:51

作品番号つきのソナタは10曲。

このうち1〜5番が一応、古典的調性の作品で、6番以降がスクリャービン流の和声システムが表にでた1楽章制の作品(5番も1楽章構成だが)。

形式的には、楽章数が1〜2と、典型的なソナタから外れたものが過半(4番が2楽章構成(序奏+ソナタとみることもできる)、2番も2楽章構成、5〜10番が単一楽章(5番は序奏+本体と見ることもできないでもない)、結局、1番と3番が4楽章構成をとるだけだ)。とはいえ、必ず1楽章以上は、典型的なソナタ形式の楽章を備え、形式的には非常にかっちりとしたソナタといってよいと思う。和声システムは大幅に拡張されているものの、構成は古典的なのだ。

曲の雰囲気は10者10様という感じ。聞きようによっては6番以降はみんな一緒じゃない?ということにもなるけれど(しかし後期の5曲もそれぞれ特徴的ではある)。前半の5曲は本当にみな様々。古典的・ロマン的な1番、印象派風の2番、ロマン的な3番、ある意味もっともスクリャービン風かもしれない4番、同じくスクリャービン風だけれど随分和声が古典的フレームワークを逸脱して、響きがことなってきこえる5番・・・

どの作品も、恐ろしく難しい・・・ような気がする。もっと超絶技巧を要する曲は多々あれど、スクリャービンの作品を五月蝿くなく響かせるように演奏するとなると、恐ろしく難しいと思う。かなり対位法的な多層の作りになっているし、和声も豊饒を極め、下手なペダリングをすれば音の固まりになってしまったり、旋律が埋もれてしまったり。客観的にみて、それじゃ駄目じゃないの的な混乱した響きになりがちだ。

さて、前置きに終始してしまったが、とりあえず今日はここまで。

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