音楽の小径
2010/09/12 (日) 作成
ショパン作曲ピアノソナタ第2番編ロ短調作品35第1楽章
ショパン作曲ピアノソナタ第2番編ロ短調作品35第1楽章
07:13,  3.0MB ,  2010/10/03 (日) 20:14:34更新
とてもショパンらしい作品です。しかし、非常にショパンらしからぬ構成ともいえます。それでもやはりショパンの作品です。そういった作品。ソナタ形式の楽曲の場合、最初に2つのテーマを提示して、次にそれを展開して、そのあともう一度テーマを出しておしまい(これに序奏とコーダが任意で)。ところがこの作品、その再現部で第1主題が端折られてる、ということを除けば非常に古典的な形式で作られています。ショパンらしからぬところは、メロディを相当絞り込んで、徹底的に限られた素材をて展開させて仕上げています。ベートーヴェン風の労作。主題が激しくロマン的であったり、扇情的であったりで、形式的な堅さが表に出にくいものの、非常に引き締まった構成ですが、ショパンとしては若いことの習作を除けば、このような大規模な作品を定型的に仕上げるのは珍しい。しかも、主題の展開も徹底してやりこんでいる感じ・・・なのですが、ここでの主題が非常に強烈。第1主題はショパンの書いたメロディのなかでも最も鬼気迫るもののひとつだし、第2主題はとてもショパンらしい美しい旋律。この2つを組み合わせれるのは大変な技で、普通なら収拾が付かなくなるところ。
この第1主題、非常にロマン的で、しかもシューベルトの魔王を彷彿とさせる強烈さ。展開部ではさらに激しく・・・こういう側面もあるのです。まさしく疾風怒濤といった感じ。