音楽の小径
2010/05/02 (日) 作成
スクリャービン作曲アレグロアパッショナート作品4
スクリャービン作曲アレグロアパッショナート作品4
08:25,  3.5MB ,  2010/05/02 (日) 18:03:04更新
スクリャービン17歳の頃の作品、ピアノソナタ変ホ短調の第1楽章を改作したもので、20歳の頃の作品です。曲の主題は概ね、ソナタのもので、非常に美しい第2主題なども、最初からあったものですが、完成度はこの3年間で飛躍的に上がっています。細かいところの作り込みが大変に巧みになっており、テーマの美しさをより一層引き出しています。スクリャービンは、晩年に至るまで、非常なメロディメーカーでしたが、若い頃から旋律の見事さは手にしていたということになります(もっとも後期になると独自の音階組織で作曲するようになるため、長調、短調に慣れていると異質な感じが先立ち、美しいといいきれないかもしれませんが)。曲は典型的なソナタ形式で作曲されています。旋律、和声が非常にロマン的ですが、作曲技法はしっかりとした古典的なものとなっています。
この作品あたりが、スクリャービンの真に優れた作品の幕開け、といってよいのではないでしょうか。