音楽の小径
2009/03/01 (日) 作成
ピアノのためにより「トッカータ」
ピアノのためにより「トッカータ」
03:54,  2.3MB ,  2009/03/01 (日) 21:12:04更新
組曲「ピアノのために」のフィナーレです。
20世紀初頭前後のトッカータといえば、ラヴェルの「クープランの墓」の「トッカータ」がおそらく最も有名かと思います。確かに、あちらは非の打ち所のない、ある意味完成されたピアノ音楽のひとつの姿だと考えていますが、こちらもなかなかの作品。ドビュッシーのトッカータは比較的若い頃の作品ですので、作曲技巧の円熟という点では、ラヴェルのトッカータにも、もちろんドビュッシー自身の後の作品にも敵わないわけですが、なんという瑞々しさと光輝をたたえていることでしょうか。
古典と近代の香りのバランス具合は絶妙で、まさにこの時でなければ作られ得なかった、そのような類の作品といってよいでしょう。