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, 2009/03/08 (日) 18:48:01更新
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ドビュッシーの「6つの古代のエピグラフ」(ピアノ独奏版)より第1曲です。 この曲集は元はドビュッシー自身が1900年にピエール・ルイスの詩集「ビリティスの歌」への付随音楽として作曲されたものから6曲を選んで作曲者自身がピアノ連弾版としてまとめたものの、作曲者自身によりピアノ独奏版が作られたものです。 この作品集は、同時期の諸作品(前奏曲集、練習曲集など)同様、非常に充実した作品です。連弾版にしても独奏版にしても、自編というせいか、曲集の充実度に比べて知名度がいまひとつ低いように思われます。 さて、この作品集、親しみやすいメロディでありながら、あたりきの長調、短調の作品がありません。教会旋法あるいは全音音階あるいは異国風の旋法。しかし無調とか、アバンギャルドとか、そういう響きではなく、どこか郷愁をそそるメロディに満ちています。 ものの解説によると、古代ギリシアへのオマージュっぽい云々ともいわれています。確かにそのような側面もなきにしもあらずと思いますが、ドビュッシーの生きた同時代の、東洋趣味や、スペイン趣味などの影響も非常に大きく、単なる古代へのオマージュに止まるものでなく、まさに1900年代初期の時代の音楽であったように思われます。
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