音楽の小径
2010/03/07 (日) 作成
アルカン作曲練習曲嬰ハ長調Op.35の9「対位法」
アルカン作曲練習曲嬰ハ長調Op.35の9「対位法」
06:33,  3.9MB ,  2010/03/07 (日) 18:22:06更新
対位法と銘打たれていますが、(中間部を除いて)カノンやフーガになっている訳ではありません。
和声的ではなく、左右の旋律のからみあいで作られている、という訳で対位法、というサブタイトルになっているものと考えられます。技術的には、むしろ、オクターブと三度の練習という趣が非常に強いのですが。曲集は5度ずつ調性がずれていくのですが、No.8 変イ長調-No.9 嬰ハ長調-No.10 変ト長調という並びは珍しい。この並びなら、No.9を変ニ長調にするか、No.10を嬰ヘ長調にするのが自然なところ。もっとも、変ニ長調と嬰ハ長調(鍵盤の上では記譜が異なるだけで響く音は全く同一でも)異なる性格の調と考えて、この調性を選んだとも考えられますが。
曲は豪放かつおおらかな感じも備えて、なかなかの作品かと。