『家族』

決められた家族を配られる。
そこは...そんな世界だった。

公民館みたいなトコロで 顔を合わせる。
 
 “はい、これがあなたの家族です”

他にもたくさんのグループが 家族として組まれていた。
横に立っている人が どうやら私の旦那さんらしい。
顔はよくわからないけど 私の頭くらいの位置に肩があるって事は
背は高いらしい。黒いセーターを着ていた。
小学生と中学生くらいの男の子と女の子が笑っている。

私の子供?

  ”それから はい、あなたの赤ちゃんです”

はいぃ!?.....いつ妊娠したんだ!?いつ産んだんだ.....?
体にそんな余韻は感じられないのに。

  ”大丈夫です。あなた方家族の記憶は その部屋にしまってあります”

それは 2畳程の書庫のような部屋で スチール棚には白いボストンバックと
黒いボストンバックがびっしり並んでた。

  ”黒い鞄の中に 過去が入っています。

   白い鞄の中は未来なので カラッポですよ”

本当だ。
白い鞄の中には何もはいってない。

   ”これから詰まっていくから 大丈夫です。”

なんかみんなで不思議そうに部屋をみまわしていた。

ふと振り向くと ドアのところで 小学生くらいの男の子が
警備員に止められている。

  ”ここは 家族しか入れないんですよ”

『僕はここの家族だもんっ!家族だもんっ!!』

そういって 入ろうとしてきかない。
旦那さんらしき人が男の子に言っていた。

『君が本当に ここの家族ならば 君の記憶はどれだい?』

迷わず男の子は 私の足下に置いてあった黒い鞄をあけて
サッカーボールを見せた。
『ほらね!』
思わず 私は 『そっかぁ』と言って 男の子を抱きしめた。
今日から これが私の家族だ。
ココロがそう噛み締めた時、夢から覚めた。

…なんか 宇宙戦争でも起こった後の区画整理にも似た感じで
家族が整理整頓されたような場所だったな…。

家族…か。