『ゆく』

今日はね、お仕事の関係で 朝6時に家を出て 横浜まで行かなきゃいけなかったんだ。 
ガレージの自転車を出しながら 源之助と母に

『行って来ま〜す』

『いってらっしゃい。気をつけるのよ』


そんなやりとりで 朝出発したと思う。
この日は なんだかんだ工場では忙しくて 会社に帰ってからも トラブル発生。
あ〜あ.....もう こんな時間だ。
終電になっちゃうから 日曜に会社にこなくちゃならないな.....。

そんなわけで。
帰りがかなり遅くなる事を伝える為に家に電話をした。
そこで はじめて聞きました。

源之助爺さんが逝ってしまったこと。
それも 朝、私が『いってきます』 と言って出た時、すでに逝ってしまっていたのだということを。

ずっと病気だったから・・・ 覚悟はしていたよ。
でもね、今朝、私ね。
忙しい朝だったから いつものように げんのすけの顔を見ないで家を出てしまったんだ。
今日は 忙しい自分のことしか考えてなかった。
そんな日に 逝ってしまうだなんて。
哀しくて涙がとまらないくなる。

仕事にさしつかえるだろうと思って あの時 母が だまって
『いってらっしゃい、気をつけてね』 と 送りだしてくれた気持ちも 優しすぎて涙が出る。

残業で終電間近で…あ〜会社に残ってたのが 自分1人で良かった。
覚悟はしていたんだ。
でも 泣いちゃうんだよね。
これが。
・・・・・・・・・・まいった。

泣き顔を 化粧でごまかして 会社の戸締まりして帰った。
家に帰り着いて 自転車を入れる為に ガレージの扉を開けた時。
げんのすけ爺さんの匂いは残っていたけれど もうその姿はどこにもなくなっていました。

17年一緒にいたげんのすけ爺さんが 今日逝ってしまいました。