ココは 森の奥深く・・・・。
私は 道に迷い へとへとに疲れて 途方にくれていました。

その時、近くの竹やぶから・・・

ガサガサガサッ・・・

1匹の子狛犬が顔を出しました。

『どうしたの? 道に迷ったの?』

驚きながらも うなずくと 子狛犬は くるりとおしりを向けてこう言いました。

『しょうがないなぁ。
 じゃぁさ。僕の住む集落が近くにあるから そこで休んでいきなよ。』



・・・ あ。
一応 言っておくね。


別にとって食おうだなんて思ってないから
心配しないでね。


・・まぁ、僕は、って トコだけど。

あはははは☆
冗談だってば。
そんな顔しなくたって ダイジョウブだって!


ほら、早く、早く。
日が暮れてきちゃうよ!

足元・・・
苔ですべりやすいから 気をつけて!

ほら。
門が見えてきた!

早く、早く!

こっち、こっち!
あそこにいるのが  僕の
おとうちゃんと おかあちゃん。
門番は 当番制なんだ。

待ってて。
いちおう断ってこなきゃ。

こぉら!お前というやつは・・・ 
また勝手に外界に行ってたな!?



ごめんよ、とうちゃん!
でも ほら社会勉強ってやつだよ!

・・・あなた、お客様の前で そんなどなり声あげたら びっくりしちゃうわよ。
ねぇ?

・・・道に迷ったんですって?
こんな森の奥まで入り込んだら 本当に危険よ。
なんたって ここは 私達狛犬が 生まれ育っていくところ。
他の四神獣だってくる神聖な場所でもあるけれど 同じくらい魔物だって
生まれ育つ場所なんですからね・・・・・。

でも せっかく来たんですもの。
この子に少し案内してもらって ゆっくりして行きなさい。

よっしゃ! じゃぁ・・・さっそく 行こうぜ!