音楽の小径
2008/05/18 (日) 作成
シューマン作曲トッカータ作品7
シューマン作曲トッカータ作品7
06:44,  4.0MB ,  2008/05/18 (日) 22:05:27更新
シューマンのトッカータ、ハ長調です。ひょっとするとシューマンの全作品中、演奏技術では最も難しい作品かもしれませぬが、技巧の派手さに欠けるために、聞いた印象は寧ろ地味で、どこが難曲なのか判りにくいです。
しかし実際のところ、殆どの場所で重音奏法が要求され、概ね四声体として弾くことが要求されているため、恐ろしく難しい。しかし、音が密集していて、派手さに欠けるため、華やかさがない。しかもリズムのバリエーションもさほどない。ポリフォニーを形成する各声部が密集しており、リズムの弾き分けが難しいこともあり、全体的には、16分音符の連続に聞こえがち。そんなこんなで難曲にきこえない、という仕組みでしょうか。
この作品、トッカータと銘打たれていますが、堅牢なソナタ形式で書かれており、ピアノソナタの第1楽章といった風格もあります。曲調はさほど感情の揺れはなく、シューマンにしてはあっさりめの印象もあります。