音楽の小径
2010/08/22 (日) 作成
ショパン作曲スケルツォ変ロ短調作品31
ショパン作曲スケルツォ変ロ短調作品31
09:39,  9.3MB ,  2010/08/22 (日) 22:07:20更新
これまた名作。内容も見事。構成も凝っています。三部形式とロンド形式とソナタ形式のエッセンスをまぜこぜにしたような、定式におさまらない構成ですが、全く不自然なところもありません。調性も変ロ短調としていますが、殆ど変ニ長調ではないか、と思うくらいです。かとおもうと、展開部にあたるあたりで、提示部ではほんの序奏的な感じで登場してきた変ロ短調のテーマが重要な役を担ってみたり。しかし、その展開部は変ニ長調の主音(変ニ)を嬰ハに読みかえて、イ長調の第3音として解釈したうえで、イ長調でスタート。まったく変幻自在です。さらにその変ロ短調のテーマ、再現時には微妙にアーティキュレーションが代えられていたりと、あえて細部を気にしてみてもあちらこちらに技がしかけられていて面白いのです。そういった細かいことを気にしなくても・・・素晴らしい傑作であるところが、また、凄いのです。ショパンの作品のなかでも、群を抜いた多幸感溢れる作品というところも特筆に値します。