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, 2009/11/23 (月) 07:13:33更新
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12の練習曲作品25の終盤3曲は、規模といい雰囲気といい、この曲集の中で突出したものになっています。曲集の作品配列順も絶妙で、ここまで、「比較的」穏やかな作品を9曲連ね、最後に3曲。そして最初の9曲は調性の配列も比較的近親のもの(言い換えれば前曲と違和感なくつながっていくもの)としていたところ、ここにきてかなり遠い調のものをつなげ(まったく無関係というわけところがまた素晴らしい着眼)曲間のギャップをより強調している・・・見事です。 このロ短調のエチュードは、曲集中、いや、ショパンの全作品のなかでも屈指の、荒々しい作品となっています。中間部は打って変わって穏やかに、そして再現部に移行するところの不安定な情緒、このあたりショパンの定番中の定番ともいえますが、実にお見事。 演奏方法としては、最初からフルパワーで押し通すのも勿論ありと思えますが、f、ff、fffの違いを意識すれば自ずと別のアプローチとなるでしょう。いずれのルートによっても、ある種の凶暴さはきっちりと音になるとは思いますが。
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