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, 2009/02/15 (日) 22:38:41更新
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ドビュッシーの比較的初期の作品集、「ピアノのために」より、第1曲。 この作品集のタイトル、実際は「ピアノのための組曲」が適当なように思いますが、慣例に従って「ピアノのために」としておきます。 作品集は古典的な組曲様式というよりはむしろイタリア風協奏曲風で、急-緩-急の3曲構成。 組曲定番の舞曲は、3曲中まんなかの緩やかなサラバンドだけと、古典的組曲というにはいささか型破りな構成ですが、実際は非常に古典を意識し敬意を払って作られているように思われます。 さて、このプレリュード、要所要所で、ドビュッシーの時代の和声とか旋法(増和音の多用、全音音階の使用など)が登場するものの、全体としては非常に古典的な印象を与えます。 徒にピアノ技法を開陳するわけでもなく、しかし、十分に見せ所も持たせ、そしてクールながらどことなく感傷的なメロディといい、絶妙なバランスを保っているところも見事。 ドビュッシーのピアノ独奏の組み物は、このあと、版画、映像(第1集、第2集)・・・と、いずれも大変な名作揃いのため、ややもすると「ピアノのために」は見過ごされがちですが、この作品集も紛れもなく傑作といえます。
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