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, 2010/02/21 (日) 18:32:05更新
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隣村の火事とは、なかなかに珍しい曲名といえましょう。 個人的に解釈上できていないものが、出だしの部分、何ともはや平穏な村の光景とでもいったところなのでしょうが、意味がわからない。ま、ともかく、その平穏な光景が、梵鐘の連打(この作者の国フランスでは梵鐘とはいわんでしょうが)で2度ほど途切れたあと、凄まじい「隣村の火事」の描写であります。というものの幾分、お祭り騒ぎ的な雰囲気もただよっていたりして(隣村だから?)。で無事鎮火すると、出だしとにているけれど違うメロディの歌でおしまい。妙に光景が浮かびそうなのですが、いまいち趣味がよいとは思えない・・・。ストーリー性を無視すれば、なかなか面白い作品なのですけれども。中間部は相当な超絶技巧です。そして終結部、なんだか分厚い響きのコラールなのですが、相当細かい声部の積み重ねで…ただ、ピアノで和声に埋もれずに全てのパートを表現するのは不可能でなかろうかという多声のコラールも、超絶で。良くも悪くもアルカンらしいというべきか。本曲集上、最大の怪作といったところです。
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