ベネチアの舟歌ですね、これは。
微妙なイントロで始まりますが、本体は甘いメロディが延々と続きます。

この曲集のなかでは地味な役回りで、ゴンドラを漕ぐ女とタランティラの間をとりもつ間奏曲なのかというような感もなきにしもあらず（実際、この曲のエンディングはそのままタランティラになだれ込むわけだし）。
この曲はベネチアを舞台とするシェイクスピアの悲劇オセロに基づくオペラからのメロディのパラフレーズ。執拗な超低音部のトレモロが特徴といえば特徴なのだけれど、リストにしては地味なアレンジともいえます。メロディを歌わせる上で、また、次の曲とのバランスを考えればもっともな選択のようではありますが・・・

猛烈なイントロのあと、かなり狂熱的なタランティラが始まります。
しかし、タランティラのリズムがずっと続くというわけではなく
実は中間部のテンポを落としてゆったり歌われるナポリのカンツォーネ
と注のあるメロディが主役のようです。
ま、このナポリのカンツォーネのメロディも最後の方ではもの凄いことに
なっていきますが・・・